

赤尾の豆単
- わたしは大学へ行く余裕がありませんでした。
それで卒業記念にと、赤尾の豆単3800語を全部覚えることにしました。
1度覚えた単語を次の日に復習し、その次の日にも復習し、1週間後に点検し、1か月後に覚えていたら塗りつぶしました。 - 単語を「contradiction 矛盾、contradiction 矛盾」と声に出しながら、わら半紙に「contradiction、contradiction、contradiction」という具合に何回も書きな ぐり覚えました。
わら半紙は50センチの高さになりました。 - ドイツ語の達人、森鴎外が「外国語の学習には語源学習が一番」と言っ ているのを目にしました。
赤尾好夫の『語源英語単語熟語の総合的研究』などを活用して、覚えにくい単語は語源学習をしました。
contradictionは、 contra(反対)+dic(言う)に分解されます。
こうして全単語を塗りつぶしました。 - 当時は大学入試には7000語が必要と言われていました。
豆単以外にも勉強し、7000語は覚えたと思います。
英語とは、それでおさらばして、卒業して社会人になりました。 - このときの暗記訓練のおかげで、それ以来暗記が苦でなくなりました。
後年、タイで得度(とくど、僧侶になること)したとき、パーリ語(梵語の一種)の丸暗記にも役立ちました。 - 数学者の岡潔は『春宵十話』で、若いうちは丸暗記がいい、といっています。
独創性は記憶の蓄積から生まれるからです。
おいしいおでんを作るには、たくさんの具材があったほうがよいのと同じ理屈です。 - 年号の丸暗記なども、暗記力を高めます。わたしは数字の暗記は訓練しませんでしたので、いまだに語呂合わせによっています。
- 百人一首の中身は、恋の歌がほとんどですが、幼児のうちに暗記しておくと、成人になって意味がわかると思考も感受性も豊かになります。
- ユダヤ人は、小さいときからユダヤ教の聖典タルムードなどの教典の暗記を強制されるので、暗記能力が抜群です。
ミシュナとは、「繰り返す」ことであり、「学習する」ことです。
学習するということは、ユダヤ人にとって暗記するということです。 - と ころで、英語は肉労です。
日常語と高級語彙が関係ないので、がんがん目と口と手で覚えるしかありません。
「犬の」はcanine(ケイナイン)、「月の」 はlunarです。
heart(心臓)の学は cardiology (心臓学)、liver(肝臓)の病気はhepatitis(肝炎)です。
密室恐怖症の意味は日本人の小学生でもわかりますが、英語では claustrophobiaと難解語になってしまいます。
anthropology(人類学)も高級語彙です。 - 英語力の維持には、社会人でも毎日、英字新聞などで1時間英語に親しみ、ニュースなどは英語で聞くという時間と体力が必要です。
2万語は知っている必要があります(それでも辞書が必要です)。
ネイティブの知識人は5万語を知っています。
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